ヒューマンロボットインタラクションとは,人とロボットがどのようにかかわるべきかについて研究する研究分野です。
生活の中でロボットとかかわる際、出来る限り安全に人にかかわる仕組み作りや人と長期間にわたり生活していくうえでどのような行動をとればいいかなどについて考えていきます。
人間とロボットとのかかわりについて考えるためには,安全性や信頼性といった工学的な側面だけでなく、人間の心理や興味などといった心理学的側面からのアプローチも必要になります。
松本研究室では人とロボットとの工学的な安全性について検討するだけでなく,そのかかわりの中で生じる心理的な側面にも着目し,
■不完全でミスをするロボットによるインタラクションデザイン
■予備動作や呼吸機構を用いた安全なインタラクション
などといった複数の研究を推進しています。 |
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不完全でミスをするロボットによるインタラクションデザイン
本研究では、人のいうことを聞き、完全にサポートできるロボットではなく、時に人に迷惑をかけ、時に忘れっぽく、時に子供のようにわがままであるようなロボットのデザインやその効果に関する研究に取り組んでいます.手のかかる子ほどかわいいという言葉がありますが,必ずしも従順なロボットだけでなく、時にわがままに時に手のかかるようなロボットについて検討することはユーザの長期的な興味を引くロボットを実現するためにきわめて重要な要素であると考えています.
呼吸機構を用いたロボットの動作予告
近年,人間をベースとして設計されたヒューマノイド型ロボットの研究が多く行われています。しかし、ヒューマノイド型ロボットは掃除ロボットなどより期待される行動の幅が広いため,その行動の予測は容易ではありません.このようなヒューマノイド型ロボットと安全に共存するには人がヒューマノイド型ロボットの行動を事前に予測できるようなシステムが不可欠です.本研究ではヒューマノイド型ロボットという形に即した動作予告に着目し,呼吸機構を模したロボット胸部の機構を用いた動作予告について検討しています.
事後に因果性を構築するロボットの行動様式の確立
本研究では人間の知覚の中でも特に事象間の因果性に対する錯覚の多面的解析とその工学的応用を目標とし,スマート環境内で起こった事象に対し,事後の行動によって因果性を錯覚させるロボットの行動様式について検討しています。
物体を通した人間-ロボットのインタラクション
本研究では3つの圧力センサからなる簡易な触覚センサを開発し,産業用ロボットを用いて物体表面に対する垂線方向への制御,表面形状の検知,物体の角の検出,物体のエッジの検出などといった物体形状検知や追従制御を行っています. |