従来のロボット技術では、ひとつひとつのモータを制御し、組み立てに多くの人手を必要とします。
これに対し、生物は自らの体を自己組織的に形成し、また、その機能を分裂や子孫という形で複製することが可能です。
われわれはこれまでのものつくりの方法の限界を克服するため、人がロボットを作りこむのではなく、ロボット自身が自己組織的に機能を実現される仕組みについて研究しています。
これらの目的のため、松本研究室では、
■受動的な自己複製
■Cooking-like manufacturing
■折り紙型ロボットの開発
などといった複数の研究を推進しており、人が厳密に作りこむこれまでの工学から脱却した新しい生産技術やロボット技術を開発し、また、自己組織的ロボットに関する研究を通して、生命と機械の違いについて理解したいと考えています。
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受動的自己複製に関する研究
本研究では、遺伝子の複製の仕組みを模倣した受動的な自己複製について研究しています。部品そのものを制御するのではなく、周りの環境を制御することによる受動的な自己複製の実現を目指しています,
Cooking-like manufacturing
本研究では受動的な自己複製の応用例として、ちょうど料理をするように材料を入れ、撹拌や加熱をすることで確率的に目的の構造物が出来上がるようなCooling-like manufacturingについて研究しています。また、陶芸家や農家の方が行うような育てるものづくりの枠組みについて検討しています。
折り紙型ロボットの開発
折り紙は日本の伝統的な遊びのひとつであり、1枚の紙から多彩な形状を形成することが可能です。本研究では折り紙の持つこのような特徴に着目し、環境の変化に応じて1枚のシートから自在な変形を実現できるような折り紙型ロボットの開発を進めています。 |